二百名山を気長に登るブログ

二百名山の制覇を気長に目指してます。公共交通機関を利用した縦走が好きです。

北岳:ほろ苦い南アルプスデビュー。広河原からの一泊二日登山(肩の小屋宿泊)

2023年7月17日 百名山北岳に登った記録です

<早朝の北岳山頂>

本格的に登山を始めて約4年。憧れの南アルプスに初めて登りました。体力と技術も向上し、それなりの自信を持って臨みましたが、予想以上の急登に体力を奪われ、高山病にもかかってしまい、ほろ苦い経験となりました。それでも、鮮やかなブルーの空・美しい緑の草花・周囲の山々の光景は本当に素晴らしく、今でも忘れられない思い出です。

広河原を起点に、肩の小屋に一泊して往復する、距離10.8km・累積登り1791mのコースを歩きました。

アクセス
7時00分 新宿駅発(あずさ1号)→ 8時27分 甲府駅
9時05分 甲府駅発(バス)→ 11時00分 広河原着

甲府駅から山梨交通バスに乗車。乗客数に合わせてバスを手配してくれているようで、この時はバス2台の運行で、全員が座って行けました。バスは、芦安温泉を超えると、山腹を巻くように敷かれた細い林道を走ります。この南アルプス林道は1979年に開通したようですが、よくこんな道路を作れたなと思いながら車窓の景色を眺めていました。

11時00分、広河原から登山開始。この地点で標高1520mなので、北岳まで1700mほど登ることになります。

吊り橋を渡ってから、

しばらく樹林帯を歩きます。

急登は白根御池小屋から先と聞いていましたが、ここまでの樹林帯もなかなかのキツさ。ひたすら地味な登りが続きます。白根御池の手前で、開けたところに出ました。川水で顔を洗って、熱った身体を冷やします。

13時10分、白根御池小屋に到着。標高2236mなので、半分ぐらい登ってきたことになります。昼食後、後半の登りに挑みます。

白根御池からは草すべりと呼ばれる急登。もう過去最恐クラスの苦しい登りでした。。。草原状の急斜面をほぼ直登します。そして標高2800mあたりから高山病になってしまいました。頭痛がするし、足も重たい。富士山の時は3200mぐらいまで大丈夫だったので問題ないだろうと思っていましたが、想定外でした。写真を撮る余裕は全くなく、ただただ無心に足を進めました。

15時15分、約2時間の急登を終えて、ようやく小太郎尾根分岐の稜線に到達。絶景をバックに、周りの登山者と交代で写真撮影しているうちに、少し元気が出ました。

稜線を進むと、北岳と肩の小屋が見えてきて、

15時50分、北岳肩の小屋に到着。標高3000m。登山開始から4時間50分のタイムでした。

小屋にチェックインして、荷物を置いて、外に出ました。標高3000mの世界。高山病で頭痛がするけれど、低山では見たことのない素晴らしい眺め。白っぽい三角の頭を突き出しているのは甲斐駒ヶ岳です。ただただ見惚れていました。

17時30分、夕食。この日のメニューは肩ロースステーキでした。肩の小屋は、清潔で、寝床もパーテーションで仕切られていて快適。いい小屋でした。

 

翌朝、4時過ぎに起床。本当は、北岳とその先の間ノ岳まで縦走したいと思っていましたが、高山病で元気が出ないので、間ノ岳は断念。北岳だけ目指すことにしました。4時40分、日の出とともに出発。

朝日を浴びる北岳。この早朝の雰囲気が本当に素敵です。

岩綾帯を進んで、もう少しで北岳山頂。山頂にたくさん人が立っているのが見えます。

5時25分、北岳に到着。標高3193m。富士山に次ぐ、日本第2位の高峰です。

山頂に転がる巨石に乗って周囲を眺めました。左に仙丈ヶ岳、右に甲斐駒ヶ岳が見えます。

反対の南側を見ると富士山。見慣れた富士山をここで目にした時、不意に泣いてしまいました。体調の悪さ、間ノ岳を断念した悔しさ、南アに登った嬉しさ、神々しいほどの山頂の眺め。いろんな感情が混ざった、訳の分からない涙。山で涙したのは、今のところこの時だけです。

山頂で泣いた後(笑)、肩の小屋に戻ってきました。

小屋前のベンチに座って、小屋に用意頂いた弁当で朝食。

朝食後、登りと同じルートで下山します。相変わらず素晴らしい稜線。下山になって、ようやく景色を楽しむ余裕ができました。

広河原に下山。振り返って北岳を眺めます。

10時00分、広河原にゴールしました。

11時00分、広河原発のバスに乗って、12時55分、甲府駅に到着。甲府駅前の「小作」でほうとうを食べてから東京に帰りました。

つらかったけど、あらためて山の偉大さに触れた今回の登山。周りの登山者も、玄人っぽい方が多く、レベルの高い人が集まる山なんだなと思いました。ちゃんとトレーニングして、体力をつけて、いつか白峰三山の縦走にチャレンジします。

<記録>
1日目:11時00分開始、15時50分肩の小屋到着(4時間50分)
2日目:4時40分開始、10時00分下山(5時間20分)
距離10.8km・累積登り1791m

和名倉山:近くて遠い二百名山。三ノ瀬から往復コースを歩く。

2024年4月12日 二百名山の和名倉山に登りました

<吹上ノ頭の稜線から甲武信ヶ岳方面を眺める>

秩父の和名倉山。東の雲取山と、西の甲武信ヶ岳との間に位置し、東京から距離は近いのですが、アクセスが良くないため、よく「近くて遠い二百名山」と呼ばれます。

ルートは、南の甲府側から登るルートと、北の秩父側から登るルートの2つ。どちらも往復距離が20km近くあるため、中級者向けの山です。

私はもう何年も前から和名倉山に行きたいと思っていて、甲府or秩父、ピストンor縦走、バスorタクシーorレンタカー、日帰りor将監小屋泊など、いろいろ悩んだ挙句、マイカーでアクセスし甲府側から往復することにしました。距離21.7km・累積登り1468mのコースを歩きます。

早朝4時半に自宅を出発。実は、自宅からマイカーで登山に向かうのは今回が初めて。いつもは公共交通機関を利用していて、行きも帰りも、眠ったり酒を飲んだりしていますが、マイカーではそうはいかないですね。ただ行動の自由が効くのはマイカーの利点。中央道・談合坂SAの「すた丼屋」に寄って、がっつり朝飯を食べました。

勝沼ICで高速を降り、一般道を通って、6時50分、民宿みはらしに到着。4台入る駐車場に車を駐めると、民宿のおばあちゃんとワンちゃんが出てきました。料金500円を支払います。

7時00分、民宿の傍にある三ノ瀬登山口から登山開始。

登山口から林道を30分ほど歩いて、牛王院下の分岐に到着。左に進むと七ツ石尾根、右に進むと将監峠です。登りは左の七ツ石尾根に進みました。

七ツ石尾根はカラマツ林の上り道。

しばらくして開けた所に到着。早朝の広い山中を、鹿の群れが走り去っていきました。

牛王院平というポイントを越えて、

8時30分、山ノ神土に到着。右に進むと和名倉山、左に進むと笠取山です。

山ノ神土からは、足元も見えないほどの笹藪。本当に道が合っているか不安になるレベルです。ただでさえ歩きにくい急斜面のトラバースに、滑りやすい笹茎の上を歩く箇所もあります。このコースで一番の難所でした。

25分ほど格闘して笹藪を抜けると、稜線に出てきました。

周りの景色も良いです。

ここから日陰の樹林帯に入って、西仙波に向かいます。途中に崩落箇所が一つあり、滑落しかけました。まあ、落ちても大怪我はしないと思いますが、ちょっと危険です。

9時30分、西仙波に到着。

西仙波から岩場を越えて、

9時45分、東仙に到着。

東仙波の標高は2003m。和名倉山の標高は2036mなので、もう大きな登りはなく、山頂まで小刻みにアップダウンを繰り返します。

稜線を進むと、ようやく和名倉山が見えてきました。手前の小ピークが吹上ノ頭。その右奥、長く横たわるのが和名倉山です。

稜線が終わると、再び樹林帯に入りました。苔と針葉樹の緑が素敵な空間です。

八百平という平坦なポイントを経て、

秩父側からのコースとの合流地点に到着。山頂まであと少しです。

木漏れ日の中を15分ほど歩いて、

11時05分、和名倉山に到着。登山開始から4時間のタイムでした。長くて疲れましたが、変化豊かな楽しいコース。そして、誰にも会わない静かな旅でした。

山頂は展望はありませんが、奥深い森の良い雰囲気。秘峰にいる気分に浸りながら、昼食をとりました。和名倉山は、戦後の伐採や山火事により多くの自然が失われましたが、山頂付近は災難を免れた原生林が残っています。

同じコースを辿って下山します。午前は曇りがちでしたが、午後になると晴れ渡ってきました。稜線上から、西の方面を眺めます。手前に唐松尾山笠取山。その奥に、雲にかかっていますが甲武信ヶ岳があります。

左に東仙波、右に西仙波。

東仙波から西仙波に至る稜線。

西仙波からリンノ峰を右に巻いて、あの難所の笹藪を下ります。

山ノ神土からは、将監峠経由で登山口に下りました。14時00分、将監小屋に到着。この日はテント泊の方も誰もいないようでした。

将監小屋からは歩きやすい林道を歩いて、15時00分、民宿みはらしにゴール。おばあちゃんに招かれて、お茶と冷やしトマトを頂きながら、お話ししました。三ノ瀬の集落のこと、道路の開通、民宿の開業、土地の利権、山の伐採とカラマツの植林、過去には四軒あった民宿も今は一軒になった時代の移り変わり。。。まだまだ聞きたかったけれど、帰る時間になったので30分ほどでお暇しました。またいつか来たい場所です。

車で山道を降りて、大菩薩の湯で入浴。大菩薩嶺の登山後に立ち寄る人が多い温泉ですね。

塩山に向かう途中で見た、山麓に広がる桃畑も印象的でした。帰路でも自然に癒されて、東京に帰りました。

「地味」という評判も多い和名倉山。おそらく、その評判は展望も少ない秩父側のルートのものだと思います。今回登った甲府側のルートは、全体的に展望がよく、変化に富んだ楽しいコースでした。いつか、将監小屋あたりで一泊して、秩父側に下りるルートも歩いてみたいです。

<記録>
7時00分開始、15時00分下山
距離21.7km・累積登り1468m

会津駒ヶ岳:夜行バスで行く、御池登山口から滝沢登山口への充実ルート

2023年7月2日 百名山会津駒ヶ岳に登った記録です

<大津岐峠から会津駒ヶ岳に至る稜線>

尾瀬の北東にある会津駒ヶ岳。東京から少し遠いですが、夜行バスを利用すれば日帰りで登ることができます。そこで今回は、尾瀬御池から会津駒ヶ岳に登り、滝沢登山口に下りるコースを歩きました。距離17.4km・累積登り1080mのコースです。

アクセス
23時00分 新宿発(毎日アルペン号)→ 5時10分 尾瀬御池着

尾瀬行きの夜行バス「毎日アルペン号」に乗り、尾瀬御池バス停で下車。少し車道を歩いて御池登山口に入ります。5時20分、登山開始。

夜行バスの利点は、早朝の登山を楽しめるところですね。朝日が差し込む、静かな樹林帯を登ります。

まず目指すのは大杉岳。大杉林道と名付けられたこの道は、泥沼が多くて大変でした。木道も敷かれていますが、腐食して滑りやすいので、どこを歩けばいいのか困る所がいくつもあります。

泥濘に難儀しつつ、6時20分、大杉岳に到着。標識以外に何もない山頂です。

次は大津岐山(おおつまたやま)を目指します。相変わらず続く泥道。さらにこの時間帯はガスがかかり、湿気や汗でびしょ濡れになりました。

1時間ほど歩いて鉄塔に到着したところで、急に晴れ渡ってきました。前方に大津岐山を捉えます。

どんどんガスがとれて、あっという間に青空に。

標高も上がってきたので、周囲の山々も見えてきました。

爽快な稜線を歩いて、8時10分、大津岐山に到着。ここまで誰にも会わない贅沢な一人旅。

振り返ると、尾瀬の燧ヶ岳。他にも様々な山を見渡せましたが、燧ヶ岳の存在感がダントツでした。

大津岐山を越えたところで、ようやく会津駒ヶ岳が見えてきました。池塘が点在する素敵な湿原を歩きます。

会津駒ヶ岳に至る稜線。前後左右、東北や北関東の名山を見渡せる素晴らしいポイントです。後半は痩せ尾根もありますが、景色を楽しみながら歩いて、

9時25分、駒の小屋に到着。駒ヶ岳登山口から登ってくる方が多く、小屋周辺は10-20名ほどの登山者で賑わっていました。

小屋から駒ノ大池越しに山頂を眺めます。山頂まであと少しです。

9時40分、会津駒ヶ岳に到着。標高2132m。登山口から4時間20分のタイムでした。

山頂は広くないので、小屋に戻ります。手前から、駒の小屋、大津岐山、そして奥に燧ヶ岳が並ぶ素晴らしい眺め。

小屋のベンチで一休みしてから下山します。下山は、檜枝岐の滝沢登山口に向かいます。

御池から駒ヶ岳までの登りはほとんど誰にも会いませんでしたが、駒ヶ岳から滝沢登山口への下りでは多くの登山者と会いました。やはりこちら側がメインルートのようですね。

山頂から1時間ほど下ったところには水場があります。めちゃくちゃ美味かった!

11時35分、沢登山口に下山。そこから一般道を歩いて、12時10分、道の駅尾瀬檜枝岐にゴールしました。

バスの時間まで、温泉「アルザ尾瀬の郷」に入浴。それから食堂に入って、冷えたビールを飲みました。天気も良く、稜線も爽快で、最高の登山だったなぁ。

帰りは、バスと電車を乗り継いで東京に帰りました。ただ、道の駅も、会津バスも、会津鉄道も、現金しか使えないので注意が必要です。私は所持金がギリギリだったので焦りました(汗)

帰り
13時34分 道の駅檜枝岐前発(会津バス)→ 14時50分 会津高原尾瀬口駅
15時17分 会津高原尾瀬口駅発(リバティ会津)→ 18時02分 北千住駅

<記録>
5時20分開始、12時10分下山(6時間50分)
距離17.4km・累積登り1080m

丹沢山:最深部の主稜縦走に挑む!

2024年4月6日 百名山丹沢山に登りました

蛭ヶ岳から主稜線を眺める>

南北20km・東西40kmに連なる丹沢山地。最高峰の蛭ヶ岳から伸びる、南北の稜線を主脈、東西の稜線を主稜とよびます。丹沢好きの私にとって、この2つの稜線を踏破するのは長年の夢でした。主脈縦走は2022年12月に達成したので、今回は主稜縦走にチャレンジしました。(主脈縦走の記録はこちら)

yossarian.hatenadiary.com

西丹沢ビジターセンターから主稜・主脈を縦走し、大倉バス停に下りる、距離21.5km・累積登り2245mのロングコースを歩きます。

アクセス
5時27分新宿駅発(小田急線)→ 6時45分新松田駅
7時15分新松田駅発(富士急バス)→ 8時30分西丹沢ビジターセンター着

新松田駅でバスに乗ります。全員1台のバスに乗りましたが、10名ぐらいは座れずに立ったままでした。西丹沢VCまで1時間以上かかるので、体力を温存したい方は駅に早めに到着して並んだ方がいいかもしれません。

8時30分、西丹沢ビジターセンターに到着して登山開始。いよいよ始まる長旅に、緊張と興奮と高まります。

麓のキャンプ場では桜が見頃。

登山道に入って、まずは檜洞丸を目指します。

ゴーラ沢出合までは緩やかな登り。群生するミツマタが綺麗でした。

9時10分、ゴーラ沢出合に到着。石づたいに川を渡ります。

ゴーラ沢を越えてからは登りがキツくなりますが、山中はアセビとブナが素敵な雰囲気に。

急登が落ち着いて、左前方に檜洞丸が見えてきました。

10時45分、檜洞丸に到着。登山開始から2時間15分。いいペースです。

檜洞丸で5分だけ休憩して、いよいよ未踏の丹沢主稜に入ります。

檜洞丸から蛭ヶ岳への主稜線は距離4.2km。アップダウンが約4回続きます。

ということで、最初に300mほど下ります。西丹沢VCから同じペースで歩いてきた人が2人いたので、付かず離れず、後方を付いて行きました。

檜洞丸から300m下りた金山谷乗越に到着。さらに登って下りてから、

神ノ川乗越に到着。標高1250m。檜洞丸ー蛭ヶ岳間で最も低いポイントです。ここから臼ヶ岳を目指して200mほど登ります。

振り返ると檜洞丸が見えました。結構歩いてきたなぁ。

12時00分、臼ヶ岳直下の休憩ポイントに到着。先行していた2人もここで休憩していました。ハイペースとアップダウンの繰り返しで、私はもう疲労困憊。ただ、他の2人も同様に辛そうだったので、疲れているのは自分だけじゃないんだなと安心しました。

臼ヶ岳から、ようやく蛭ヶ岳が見えました。右に伸びる丹沢山への稜線も見えます。

ミカゲ沢ノ頭という小ピークを経て蛭ヶ岳を目指します。

登山道も目視できるぐらい蛭ヶ岳に近づいてきました。「うそだろ!?」と思うような急坂が見えます。

急坂は本当でした(泣)蛭ヶ岳へはクサリも設置されたキツい登りが300m近く続きます。

もう脚に力が入らず、疲労困憊になりながら、あと少しの所まで来ました。振り返ると、檜洞丸から歩いてきた主稜線。雲は多いけど、苦労した分、この景色に感動しました。

13時05分、蛭ヶ岳に到着!!

早速、楽しみにしていた名物ヒルカレーを食べに蛭ヶ岳山荘へ。提供時間は13時30分までなので間に合ってよかった。

主脈縦走のときも食べたヒルカレー(1000円)。また食べることができて良かった!

体力回復したところで、13時20分、蛭ヶ岳を出発。丹沢山を目指します。

岩場を登ったところにある鬼ヶ岩。晴れていれば富士山も見える展望ポイントですが、今日はガスで全く見えず。

緩やかなアップダウンを繰り返して、

14時35分、丹沢山に到着。

丹沢山から塔ノ岳を目指します。

15時25分、塔ノ岳に到着。

もう遅めの時間なので、山頂には5人ぐらいしかいませんでした。

仏山荘でコーラを購入(500円)。炭酸が体に沁み渡り、最高の気分。

もうあとは大倉に下るだけ。7kmもありますけど。。。

15時55分、花立山荘を通過。

16時25分、堀山の家を通過。

標高が下がると、桜が目立ってきました。

17時05分、見晴茶屋を通過。

17時30分、大倉に下りてきました。ヘッドライトを点けての下山を想定していたけれど、明るい時間に帰ってこれました。長くて最高の一日を過ごせたことに感謝。

登山者以外の観光客でも賑わう大倉バス停。17時48分発のバスに乗って、渋沢駅に向かいました。

渋沢駅前の居酒屋にて一人で打ち上げ。小田急線に乗って東京に帰りました。

<記録>
8時30分開始、17時30分下山(9時間)
距離21.5km・累積登り2245m

蔵王山:蔵王は広いぞ。南から中央へ大満喫の縦走。

2023年6月20日 百名山蔵王山に登った記録です

<刈田岳から御釜を見下ろす>

宮城と山形の県境に位置する蔵王連峰。中央・南・北の三つのエリアに分けられ、なかでも熊野岳等を擁する中央エリアを訪れる人が多いのですが、公共交通機関を使えば、南から中央まで、蔵王の魅力溢れる縦走路を歩くことができます。

そこで今回は、宮城県の白石スキー場から、南-中央蔵王を縦走して、山形県蔵王温泉に下りる、距離18.4km・累積登り1667mのコースを歩きました。本当に素晴らしいコースで、この年ベスト3に入る思い出の登山となりました。

アクセス
6時04分 東京駅発(やまびこ51号)→ 7時37分 福島駅着
7時55分 福島駅発(やまびこ293号)→ 8時06分 白石蔵王駅
8時10分 白石蔵王駅発(タクシー6000円)→ 8時35分 白石スキー場着

新幹線とタクシーを乗り継いで、白石スキー場に到着。行きの交通費だけで17000円ぐらい使ってしまいましたが、天気もいいので良しとしましょう!8時40分、登山開始。

初めはこんな感じの樹林帯をほど歩きます。

10時20分、樹林帯を抜けて稜線に出ました。これ以降、ずっと展望の良い稜線歩きを楽しめます。

第二次大戦中、アメリカ軍のB29が墜落した所に、慰霊碑が建てられています。

気持ちの良い稜線を歩いて、

10時35分、不忘山に到着。

展望が素晴らしいです。

次は、南屏風岳に向かいます。

不忘山を振り返ります。こう見ると結構切り立っていますね。

屏風岳を越えると、前方に刈田岳が見えてきました。火山らしい赤肌をしているので、よく目立ちます。さらにその奥には飯豊山も見えました。

前方に屏風岳の全容が見えてきました。まさに屏風のような山容。

11時50分、屏風岳に到着。標高1825mで、宮城県の最高峰です。

次は杉ヶ峰を目指します。

杉ヶ峰に近づくと湿地帯になってきました。変化豊かな多彩なルートを楽しめるのもこのコースの魅力です。

この日一番目立っていたのはチングルマ

12時30分、杉ヶ峰に到着。ここで南蔵王エリアは終わり、刈田峠を経て、中央蔵王エリアに向かいます。

刈田岳が近くなってきました。山腹を蔵王ハイラインが通っているのが見えます。

刈田峠を越え、車道を6回ほど横切りながら登った末、13時30分、刈田岳に到着。こちらは車でもアクセスできるので多くの人で賑わっています。

そして目に飛び込んできた御釜。見事なエメラルドグリーン!

刈田岳にはレストハウスがあり、飲食できます。後半開始にあたりちょうどいい休憩ポイント。久しぶりに買ったデカビタが美味かった!

御釜を見下ろしながら、熊野岳を目指します。

緑豊かな南蔵王と違い、こちらの中央蔵王は火山らしい雰囲気。

振り返って、歩いてきた南蔵王の山々を眺めます。楽しかったなぁ。

14時20分、熊野岳に到着。

ここから、ロープウェイ駅に向かって下ります。

14時40分、地蔵岳に到着。ここにもロープウェイ駅がありましたが、もう少し歩いて「蔵王中央ロープウェイ」に向かいます。

15時15分、蔵王中央ロープウェイに到着。ロングコースでしたが、最後の下りはロープウェイでスキップできるのが良い所。最高に楽しかった!

ロープウェイで蔵王温泉に下りてきました。人生初の蔵王温泉。バスの時間まで余裕があったので、温泉街を散歩して見つけた「湯の宿伊藤屋」で入浴しました。料金500円。泉質は全国でもトップクラスの強酸性らしく、浸かって5分足らずで、体が芯から燃えるように熱くなりました。これほどの体験は初めて。印象に残る温泉でした。

入浴後、土産店で買い物をして蔵王温泉バスターミナルへ。1時間に1本ぐらい山形駅行きのバスが出ているので、結構便利です。

16時20分、蔵王温泉発のバスに乗り、17時00分、山形駅着。山形駅から新幹線に乗って、東京に帰りました。

交通費だけで3万円ぐらい使ってしまいましたが、十分に価値あり。この年は25回登山しましたが、その中でもベスト3に入る最高の登山でした。

<記録>
8時40分開始、15時15分下山(6時間35分)
距離18.4km・累積登り1667m

安達太良山:雨とガスのなか、表登山口から奥岳登山口へ。

2023年6月15日 百名山安達太良山に登った記録です

安達太良山の山頂>

福島県百名山。東京から日帰り可能で、雪山登山としても人気のある山です。山名の由来はいくつか説があるようですが、安達郡の太郎(最高峰)という説が、個人的に分かりやすいと思います。そんな安達太良山。奥岳登山口から周回するコースが定番ですが、もう少し長い距離を歩きたかったので、表登山口から登り、奥岳登山口に下りることにしました。距離14.3km・累積登り1175mのコースです。

アクセス
6時04分 東京駅発(やまびこ51号)→ 7時23分 郡山駅
7時47分 郡山駅発(JR東北本線)→ 8時00分 本宮駅
8時05分 本宮駅発(タクシー4600円)→ 8時25分 表登山口着

本宮駅で、前日に予約しておいたタクシーに乗車。地元出身の運転手さんは、約60年前の小学校時代に学校遠足で安達太良山に登ったと話していました。

8時25分、表登山口から登山開始。現在は、ロープウェイのある奥岳登山口が安達太良山の玄関口のようになっていますが、昔はここから登るのが普通だったようです。先程の運転手さんも表登山口から登ったと言っていました。

しばらく樹林帯。マイナールートだけども、ちゃんとした歩きやすい道です。

10時00分、仙女平に到着。地図では「展望良い」と書かれていますが、この日はあいにくの天気。ガスが垂れ込め、展望は全くありません。天気予報で分かっていたものの、やっぱりテンションがいまいち上がらない。。。

仙女平を越えると、景色が開けてきます。

11時15分、奥岳登山口からの登山道と合流し、初めて登山者に会いました。同時に雨も強まってきたのでレインウェアを着用。雨水が川のように流れてきます。

もう少しで山頂。火山っぽい荒涼とした雰囲気が素敵ですが、

ガスで展望は全くありません(涙)

それでも高山植物には癒されました。特に目立っていたのは、妖しげなピンク色をしたイワカガミ。

11時50分、安達太良山に到着。登山口から3時間20分のタイムでした。

「乳首」と呼ばれる突起部分に登頂。こんな天気なので、山頂にも誰もいませんでした。

下山は、矢筈森とくろがね小屋を経由して、奥岳登山口に下りるルートを歩きます。

牛ノ背という稜線を歩いて、矢筈森へ。

蜂の辻というポイント。誰もいない荒涼とした空間を歩くのも、これはこれで登山の楽しみかもしれません。

くろがね小屋付近。

14時25分、奥岳登山口に下山。奥岳の湯に入浴しました。バス停近くに温泉があるのは本当にありがたいですね。いい温泉でした。

入浴後、レストハウスで休憩。あいにく食事の注文時間が過ぎてしまったので、ビールだけ飲みながらバスの時間を待ちました。

16時15分、奥岳登山口発のバスに乗り、17時00分、二本松駅に到着。駅前の居酒屋で一杯飲んで、JR東北本線郡山駅に行き、新幹線で東京に帰りました。

天気予報で分かってはいたけれど、雨とガスで眺望全くなく、安達太良山の本来の魅力を10分の1も味わえなかったであろう日でした。すれ違った登山者もわずか6人。いつか天気の良い日に再訪したいです。

<記録>
8時25分開始、14時25分下山(6時間)
距離14.3km・累積登り1175m

女峰山:満開のツツジ。霧降高原から日光東照宮までの充実旅。

2023年5月18日 二百名山の女峰山に登った記録です

<竜巻山付近から女峰山を振り返る>

標高2400m級の山々が連なる日光連山。男体山日光白根山百名山、女峰山が二百名山に選ばれています。今回は、そのなかで未踏だった女峰山に登りました。霧降高原から、赤薙山・女峰山を縦走して、日光東照宮に下る、距離14.8km・累積登り1305mの健脚向けコースです。

アクセス
6時04分 東京駅発(やまびこ51号)→ 6時52分 宇都宮駅
7時00分 宇都宮駅発(JR日光線)→ 7時44分 日光駅
7時50分 日光駅発(タクシー4500円)→8時10分 霧降高原着

日光登山の玄関口、日光駅に到着。さっそく女峰山(中央)と赤薙山(右)が出迎えてくれました。駅からタクシーで霧降高原に向かいます。

8時10分、霧降高原に到着。レストハウスの自販機でコーヒーを買って飲んだ後、8時15分、登山開始。

と、いきなり待ち受けているのは長い階段。1445段もあります(汗)標高1345mのレストハウスから、標高1582mの小丸山展望台まで階段が続きます。

8時45分、小丸山に到着。コース上に高木がないため、ずっと展望のよい稜線を歩くことができます。前方に見えるのは赤薙山。

ここでアクシデント。靴擦れをしてしまいました。しかも両足。新品の靴でもないのになぜと思ったけれど、あの長い階段が影響したのかも。テーピングを貼っても効果少なく、痛みは増すばかり。こんなに靴擦れが辛いものだとは思ってもみませんでした。素晴らしい景色でしたが、写真を撮る余裕がほとんどなく、山頂まで痛みに耐える苦しい登山になりました(泣)

9時50分、赤薙山に到着。まだまだ先は長いです。

11時20分、一里ヶ曽根独標に到着。ここは絶景ポイントでした。前方に女峰山が見えます。まだ距離はありそうです。

12時40分、女峰山に到着。登山口から4時間20分のタイムでした。いやぁ、長かったし、靴擦れが痛かった(泣)山頂は360度の絶景。南を見渡すと、手前に大真名子山、奥に男体山が見えます。

北を見渡すと、奥に燧ヶ岳が見えます。

昼食後、日光東照宮へ下山します。山頂にいたベテラン登山者と、一緒に下山することになりました。この方は百名山を全て2回登ったとのこと。最も印象深い山は大雪山らしいです。北海道かぁ。いつか登ってみたいですね。

14時20分、黒岩というポイントに到着。

黒岩から女峰山を振り返ると、崩落箇所が目立ちます。同行者曰く、いつか登れなくなる日も来るのではないかとのこと。

長い下山道を進みます。標高が高いうちは、見晴らしの良い岩道です。

標高が下がると笹道に。そしてツツジが見えてきました。

広大な笹っ原に咲き誇る大量のツツジ。この赤いのはヤマツツジ。他にアカヤシオシロヤシオも満開。同行者に花の名前をたくさん教えてもらいました。

ツツジのトンネル。植物には疎いので、普段あまり草花の写真は撮りませんが、この日は過去最高に草花の写真を撮りました。

16時30分、日光東照宮裏の駐車場に下山。ここから東武日光駅まで歩くつもりでしたが、同行者に駅まで送って頂きました。道中でも植物を中心にいろんなことを教えてもらい、有り難かったです。

駅前のレストランで一杯飲んだ後、リバティけごんに乗って東京に帰りました。

靴擦れは思わぬアクシデントでしたが、景色が良く、登りがいのある充実したコース。特に満開のツツジが印象に残った山旅でした。

<記録>
8時15分開始、16時30分下山(8時間15分)
距離14.8km・累積登り1305m