二百名山を気長に登るブログ

二百名山の制覇を気長に目指してます。公共交通機関を利用した縦走が好きです。

御在所岳:中登山道から雨乞岳への縦走

2024年11月27日 二百名山御在所岳に登りました

<地蔵岩越しに伊勢平野と伊勢湾を眺める>

故郷の山です。通学路から毎日のように眺めていた鈴鹿山脈。そのうち御在所岳が二百名山に選ばれています。

御在所岳に登るのは、中学2年の時に学校行事で登って以来、25年ぶり。そのときの登山は不思議なほど覚えていないのですが、今回登って素晴らしい山だと思いました。中登山道から御在所岳に登り、雨乞岳まで縦走する、距離16.9km・累積登り2039mの山行を紹介します。

アクセス
21時50分 新宿駅発(夜行バス)
04時30分 近鉄四日市駅
05時26分 近鉄四日市駅発(近鉄湯の山線
05時53分 湯の山温泉駅

今年10回目の夜行バス。4時30分、予定時刻より25分早く近鉄四日市に到着しました。始発まであと1時間ほどあるので、駅前のコンビニで朝飯を食べて時間をつぶします。

近鉄四日市駅から湯の山線に乗り、5時53分、湯の山温泉駅に到着。日中はロープウェイ駅までバスも出ていますが、早朝は運行していないため、ここから歩きます。

6時00分、登山開始。

15分ほど歩くと、さっそく御在所岳が見えて来ました。麓は紅葉が見頃です。

湯の山温泉を歩きます。小学3年生のとき、友人が旅行に行ったと嬉しそうに話していたことを思い出しました。行き先を聞くと「湯の山や」と答えたので「近すぎやろ(笑)」と皆でつっこんだこと。地元から車で40分ぐらいの場所ですから。今でも湯の山と聞くと、何故かそのエピソードを思い出します。彼が30年前に泊まったその宿もこの辺りにあるんだろうなぁ。

7時05分、中登山道口に到着。複数ある登山道のうち、岩場が多く登りがいのある中登山道(中道)を歩きます。

御在所岳花崗岩質の山。スタートから白岩の登山道が続きます。

7時30分、四合目のおばれ岩に到着。奇岩の多いこの山道は、筑波山の白雲橋コースと似ていますね。

7時45分、五合目。見晴らしが良いです。前方に御在所岳

五合目と六合目の間にある地蔵岩。振り返らなければ見過ごす所でした。御在所岳のシンボルですね。地蔵岩の向こうには、桑名や四日市の街並み、さらに奥に伊勢湾を望めます。

楽しい岩場と、展望の良い道が続きます。

8時00分、六合目。中登山道名物のキレットです。垂直に近い岩場を降りますが、足の置き場がしっかりあるので恐怖感はありませんでした。

8時25分、八合目に到着。岩場を巻くように進む所は、濡れていて滑りやすいです。キレットよりも難所だと思います。

急坂を登って山上部に到着。舗道を歩いてから、スキー場を突っ切って、

8時50分、御在所岳に到着。標高1212m。中登山道口から1時間45分のタイムでした。

山頂部は、遊歩道が伸びるなだらかな公園。右に御嶽大権現、左奥には鎌ヶ岳が見えます。

御在所岳に登るだけでは物足りないので、今日は雨乞岳まで縦走することにします。

まず御嶽大権現の裏から、沢谷峠へ下ります。踏み跡の少ない道になりました。

道がやや不明瞭な急坂を降りて、沢谷峠に到着。ここで武平峠からの登山道と合流し、雨乞岳に向かいます。

沢谷峠からは1時間ほど沢沿いの道が続きます。やや道が荒れていて、分かりにくい箇所もありますが、ピンクテープが短間隔で貼ってあるので、迷わないよう常に確認した方がいいでしょう。また頻繁に渡渉します。片道10回以上は渡りました。

沢沿いの道を終えて尾根に出ました。笹藪を直登して、

10時35分、東雨乞岳に到着。全方位の眺望が素晴らしいです。前方に見えるのは雨乞岳。

振り返ると御在所岳。あそこから300m下って、300m登り返して来たので、結構疲れました。

そして10時50分、雨乞岳に到着。御在所岳からは誰にも会いませんでした。静かで景色の良い山頂で昼食。

昼食後、同じ道で御在所岳に戻ります。つまり、もう一度300m下って300m登らなければなりません(泣)

13時00分、御在所岳に帰還。観光客も増えた山上公園を歩いてロープウェイ駅へ。

13時10分、ロープウェイ駅に到着。駅内には美味しそうなメニューを揃えたレストランもあって、登山者や観光客で賑わっていました。片道1500円の切符を買ってロープウェイに乗車。1分間隔の運行で、山麓まで15分で到着します。

ロープウェイの途中、左側を眺めると、ちょうどソロ登山者がキレット上部に到達した姿が見えました。

ロープウェイ山麓駅に到着。土産店や軽食屋のほか、モンベルショップもあります。

山麓駅からすぐの所にあるホテル湯の本で入浴。入浴料1000円。2階の内風呂と、5階の露天風呂がありますが、露天風呂の方は貸切状態。開放的で良い温泉でした。

14時15分、ロープウェイ山麓駅発のバスに乗り、14時26分、湯の山温泉駅に到着。そこから近鉄に乗って、湯の山→四日市→名古屋へと帰りました。

今日の締めは名古屋メシ。名古屋駅に着いてから、山本屋本店へ。

硬めの麺が特徴の味噌煮込みうどん。名古屋文化圏で育ったので、この味噌の味が好きなんですよね。

食事後、新幹線で名古屋から東京に帰りました。子供の頃から馴染みのある山。地元の良さを再認識した旅でした。

<記録>
6時00分開始、13時10分下山(7時間10分)
距離16.9km・累積登り2039m

金剛堂山:栃谷登山口から、麓の紅葉と山頂の稜線を楽しむ

2024年11月16日 二百名山の金剛堂山に登りました

<前金剛から中金剛への稜線>

富山県の金剛堂山に、夜行バスとレンタカーを利用して行ってきました。麓の紅葉と山頂の稜線を楽しみ、温泉と海の幸も満喫した小旅行。栃谷登山口から往復する距離11.7km・累積登り1189mのコースを紹介します。

アクセス
24時00分 新宿駅発(夜行バス)
06時40分 富山駅
07時00分 富山発(レンタカー)
08時30分 栃谷登山口着

今年9回目の夜行バス。時間と交通費を節約できるので、夜行バスで山に向かうのが標準になってきました。6時の有磯海SA。寝惚け眼で眺めた満月。

6時40分、富山駅に到着し、タクシーでジャパンレンタカー富山店へ。そこから約1時間20分、国道471号&472号線を走って登山口に向かいます。八尾からは狭隘な山道に入るので慎重に運転しました。栃折峠を越えて利賀村南砺市)に入ると、登山口までもう少しです。

8時30分、栃谷登山口に到着。30台以上は駐められる広い駐車場に、この日は20台ほど駐まっていました。

8時40分、登山開始。

麓は紅葉が見頃。赤や黄に染まった木々を眺めながら、つづら折りに登ります。

9時10分、栃谷登山口より1km地点に到着。この先も、2km地点・3km地点・4km地点と標識が出てきます。

2km地点付近は、すっかり落葉したブナ林。

3km地点を越えると展望が開けてきます。

10時40分、金剛堂山(前金剛)に到着。緩勾配の歩きやすい道をハイペースで登ってきたので、登山口からわずか2時間で着きました。

前金剛からは360度の好展望。特に北アルプスが綺麗に見えました。剱岳立山

こちらは御嶽山木曽駒ヶ岳・小秀山・経ヶ岳に続いて、4回連続のご登場。来年は絶対登りたい。

前金剛から、さらに中金剛・奥金剛へと進みます。

この稜線が楽しみだったんですよね。天気も何とかもってくれたので、期待通りの素敵な稜線。はるばる来た甲斐がありました。

池塘も1箇所。奥に槍ヶ岳もはっきり見えます。

10時55分、中金剛に到着。標高1650m。ここが最高峰ですが、狭い山頂は藪に覆われて眺望はありません。

続いて、右奥に見える奥金剛へ。この稜線上で数組の登山者とすれ違いました。やはり大体の方が奥金剛まで足を伸ばすようです。

11時15分、奥金剛に到着。山頂は広々としています。晴れていれば白山を見渡せるはずですが、残念ながら曇りがちでした。今回はここでゴール。おにぎりを食べてから、同じ道を引き返します。

奥金剛から中金剛へ。

中金剛から前金剛へ。

そして前金剛から下山します。

紅葉の山道をささっと下りて、

13時10分、栃谷登山口に帰還しました。

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下山後は、利賀村にある天竺温泉に寄りたかったのですが、能登半島地震の影響で休業中だったため、八尾ゆめの森ゆうゆう館で入浴。入浴料650円。

15時30分、富山市内に戻ってレンタカーを返却し、

徒歩とバスで富山駅に到着。

さあ今回、最も楽しみにしていた夕食へ。まだ16時半ですが、通し営業している魚どん亭に入店しました。

ビールを飲んだ後、刺身盛り合わせ1人前と富山の名酒・勝駒。いやぁ、もう最高。刺身では特にバイ貝が美味しかった。他にも、かに味噌とかに身、バイ貝肝串焼き、ホタルイカ沖漬け、富山湾ボール(魚のすり身揚げ)を食べ、地酒を2杯飲んで、お会計9000円。(本当はカニを食べたかったのですが、時価の紅ズワイガニは一杯9800円だったので、さすがに諦めました)

新幹線までもう少し時間があったので、立山そばで締め。

18時17分発の新幹線かがやきに乗って東京に帰りました。富山の登山と温泉と魚介を楽しんだ、贅沢な小旅行でした。

経ヶ岳:秋の仲仙寺コースを歩く

2024年11月8日 二百名山の経ヶ岳に登りました

<仲仙寺の本堂>

中央アルプスの北端にある経ヶ岳。公共交通機関ではアクセス困難なため、東京から車で約3時間かけて行ってきました。

登山口は、権兵衛峠・大泉所ダム・仲仙寺と3つあります。一番メジャーなのは最短距離で登れる権兵衛峠コースですが、円仁ゆかりのお寺に寄りたかったので仲仙寺コースを歩きました。距離14.0km・累積登り1556mのコースを紹介します。

深夜3時、起床。東京の自宅から車で中央道を走ります。深夜の長距離運転で、すでに疲労気味。伊那ICで高速を降りて少し進むと、経ヶ岳が見えてきました。

6時30分、仲仙寺に到着。

山門すぐ先の駐車場に車を駐めます。他に車はありませんでした。今日は孤独な山行になりそうです。

6時45分、登山開始。

早朝の静寂で寒々とした空気。お寺特有の雰囲気が好きです。山門の階段を上がります。

弘仁7年(816年)、慈覚大師円仁が開山した仲仙寺。経ヶ岳という山名も、円仁が写経した木片をこの地に納めたことに由来するそうです。本堂の右側から登山道に入ります。

四合目までは、つづら折りの緩やかな登り。登る人があまり多くないせいか、道はやや細く荒れ気味です。

7時45分、四合目に到着。大泉所ダムからの合流点です。ここから先は、道が広くなりますが、傾斜も徐々に急になります。

七合目までカラマツ林をひたすら登ります。展望が少ないので修業のようでした。

8時50分、七合目に到着。

展望がやや開け、前方に八合目のピークが見えてきました。

七合目を越えると、カラマツも落葉し、裸の樹木に絡みつくサルオガセが目立ってきます。ただ相変わらず展望の少ない単調な登り。ここから八合目が一番きつかったです。

9時30分、八合目に到着。ここでようやく展望が開け、前左に山頂を捉えました。今回のコース上で、ここが最良の眺望ポイントです。

東側は、伊那谷南アルプスを一望。

西には御嶽山。前回の小秀山、前々回の木曽駒ヶ岳に続き、3回連続のご登場。来年こそはぜひ登りたい。

八合目からは緩やかなアップダウンを繰り返して、

10時10分、経ヶ岳に到着。標高2296m。登山口から3時間半のタイムでした。権兵衛峠から登ってくる方がいるかなと期待していましたが、山頂にも登山者はゼロ。結局、最初から最後まで誰にも会わない登山でした。

山頂で昼飯を食べてから、同じコースで下山。

再び八合目まで下りてきました。

やっぱり八合目からの眺望が最高です。中央の尖った山が甲斐駒ヶ岳。その右のなだらかな山が仙丈ヶ岳。ここで昼食をとったほうが良かったかも。

12時30分、仲仙寺にゴール。凹凸が少ない登山道なので、下山はほぼずっと小走りでした。

秋晴れの登山を楽しめたことに感謝。

下山後は、仲仙寺のすぐ近くにあるみはらしの湯へ。入浴料500円。

露天風呂からも待合室からも南アルプスを一望できる温泉でした。

車内から眺める経ヶ岳。山登り自体は、全体的に変化が少なく、標高差も割とあるので、修業のようでしたが、仲仙寺と下山後の温泉で癒され、良い旅ができました。

<記録>
6時45分開始、12時30分下山(5時間45分)
距離14.0km・累積登り1556m

小秀山:変化に富む好コース。ニの谷コースを登り、三の谷コースを下る。

2024年10月20日 二百名山の小秀山に登りました

<山頂から御嶽山を眺める>

岐阜と長野の県境にある小秀山。変化に富んだ山道(序盤は渓谷・中盤は岩場・終盤は高原)と、山頂からの御嶽山の眺めが素晴らしいコースでした。乙女渓谷を起点に、二の谷コースから登り、三の谷コースから下りる、距離11.8km・累積登り1315mのコースを紹介します。

アクセス
23時25分 新宿駅発(夜行バス パピヨン号)
05時20分 美濃太田駅
05時40分 美濃太田発(レンタカー)
07時00分 乙女渓谷キャンプ場着

夜行バスで美濃太田駅に到着し、15分歩いてジャパンレンタカー美濃加茂店へ。24時間営業なので、夜行バスユーザーには有り難いです。

1時間ちょっと運転して、登山口の乙女渓谷に向かいます。前方に見えてきた小秀山。

7時過ぎ、乙女渓谷キャンプ場に到着。ここの駐車場はほぼ満車でしが、その先にもいくつか駐車スペースがありました。駐車料金500円はキャンプ場の管理棟で支払います。

7時15分、登山開始。

登りは二の谷コース。序盤は渓谷沿いの桟道が続きます。

渓谷を眺めながら歩ける素晴らしいコース。渓谷の自然美と桟道の人工美がマッチしています。空気が水に冷やされて、少し寒いぐらいでした。夏は涼しくて最高かもしれません。

すっかり秋の雰囲気。ねじれの滝和合の滝などを通過して、

8時10分、夫婦滝に到着。落差が80mもあり、このコース一番の見所です。

序盤はここまで。案内板の通り、夫婦滝から兜岩まで急斜面と岩場が続きます。中盤スタート。

夫婦滝の上部まで登ってから川を渡ります。前日の雨で増水していたようで、渡るのが難しく、靴が少し濡れてしまいました。

その後、やや荒れた道や、両手両足を使うような急坂が続きます。ストックは兜岩を越えるまで仕舞っておいた方がいいでしょう。そして一番の難所、カモシカ渡りに到着。ほぼ垂直の斜面を、木の根っこを掴みながら登ります。

木の根っこエリアを越えると岩場に。ここも三点支持で進みます。

カモシカ渡りを終え、三の谷コースとの合流点を越えると、ついに展望が😆

北側には御嶽山。大きな姿がいきなり見えたので、思わず「おおっ!」と声が出ました。

岩場の急登を経て、9時55分、兜岩に到着。夫婦滝から続いた険しい登りもここで終わります。

登りはいよいよ終盤へ。景色の良いなだらかな稜線を歩きます。

右手に中央アルプス南アルプスを眺めながら、第一高原と第二高原を通過し、

第三高原に到着すると、ようやく小秀山が見えてきました。

10時40分、小秀山に到着。標高1982m。登山開始から3時間半のタイムでした。

山頂からは迫力ある御嶽山の展望。この眺めが素晴らしいので「小秀山は御嶽山を眺めるための山」という評価も聞きます。「浅間山を眺めるための浅間隠山」みたいな感じですかね。ただ小秀山は決して眺望だけの山ではありません。二の谷コースは変化に富んでいて、楽しく、登りがいのある道でした。

東を眺めると、中央アルプス南アルプス。こちらの展望もお見事。

眺めを楽しんだ後、山頂の脇にある秀峰舎という避難小屋へ。小屋の中はすごく綺麗でした。トイレもあります(協力金100円)。いい天気なので、小屋脇のベンチで昼食。

昼食後、下山します。

秋の空気と景色を十分味わいました。

下山は三の谷コースを利用。急坂の多い二の谷コースとは対照的に、つづら折りで下りやすい登山道でした。13時15分、三の谷コースを終えて林道に到着。

林道から振り返る小秀山。ここから林道を25分ほど歩いて、13時40分、乙女渓谷駐車場にゴールしました。

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下山後は、乙女渓谷から20分の所にある付知峡倉屋温泉おんぽいの湯へ。入浴料は800円で広い温泉でした。ここ木曽地域は良木の産地で、大正時代までは、材木を河川に流して濃尾平野に送っていたようです。この作業の掛け声が「おんぽいぇー、おんぽいぇー」だったとのこと。

白川沿いの白川トチノキ街道と、飛騨川沿いの国道41号線を通って帰ります。途中、道の駅 茶の里 東白川でひと休み。ほうじ茶ソフトクリームが、お茶の風味とほのかな苦味が効いて美味しかった🍦

16時過ぎに美濃太田に到着。レンタカーを返却して、美濃太田駅からJRで名古屋へ。新幹線ホームの住よしで味噌きしめんを食べて東京に帰りました。早朝から夕方まで、登山とドライブとグルメを満喫できた一日でした。

<記録>
7時15分開始、13時40分下山(6時間25分)
距離11.8km・累積登り1315m

木曽駒ヶ岳:上松Aコースから千畳敷へ。労して登り楽して帰る充実旅。

2024年10月2日 百名山木曽駒ヶ岳に登りました

<木曽前岳から木曽駒ヶ岳を望む>

中央アルプスの主峰、木曽駒ヶ岳。定番はロープウェイで標高2612mの千畳敷まで上がり、そこから山頂を目指すルートですが、ロープウェイはいつも混雑するみたいだし、登頂まで2時間足らずの行程も少し物足りないので、他のコースはないかなあと思っていました。そこで調べたところ、上松Aコースという良さげな道があるのを発見。登りは長いものの、千畳敷まで行けばロープウェイで日帰りできそう。ということで、西の木曽谷から、中央アルプスを越えて、東の伊奈谷に下りる、距離10.5km・累積登り2080mのコースを歩きました。

アクセス
23時55分 新宿駅発(ドリーム可児号)
05時00分 中津川駅
06時03分 中津川駅発(JR)
06時56分 上松駅
07時05分 上松駅発(タクシー2700円)
07時20分 上松A登山口着

夜行バスと電車を乗り継いで、木曽路上松駅に到着。前日タクシー会社に電話したところ「7時は早いから居ないかもしれないですね…、7時半には来ると思いますが」とやや心許ない返事。ただ、当日到着してみるとすでに待機頂いていたのでホッとしました。

上松駅からタクシー15分で登山口に到着。ここは二合目となります(一合目はどこなんだろう?)

7時20分、登山開始。

しばらく林道を歩いて、

7時45分、敬神ノ滝小屋に到着。ここから本格的な登山道に入ります。

上松Aコースは古来からの信仰の道。道中に石碑や石像が点在しています。恵那山の前宮ルートを思い出しました。頂上までの長さや、ウェストン卿が歩いたことも共通点ですね。

8時00分、三合目に到着。コース上には半合ごとに標識があり、私のペース(やや早め)では一合登るのに40-50分ほどかかりました。

9時20分、五合目の金懸小屋に到着。

金懸小屋の先、細々と出ていた水場。

五合目と六合目の間にある胸突き八丁。でも急登は5分ほどの短区間でした。このコース、八合目までは難所や厳しい登りはなく、基本的に歩きやすい道が続きます。苦しいのは展望のなさと距離の長さですね。

七合目を越えると、少しずつ展望が開けてきます。三ノ沢岳がよく見えました。

11時15分、八合目に到着。ここで一気に視界が開け、

不動明王が睨みを効かすその先に、

木曽前岳が姿を現しました。右奥のピークが山頂で、正面に見えるのは偽ピークです。

左を眺めると、麦草岳の向こうに、御嶽山乗鞍岳

右を眺めると、中央アルプスの主稜線。左が木曽駒ヶ岳、真ん中が宝剣岳

いよいよ木曽前岳への登りに差し掛かります。ここが一番急登でした。

急登を終えると岩綾帯に。このコースで唯一歩きにくい区間ですが、景色は抜群。手前から、木曽駒ヶ岳・中岳・宝剣岳が綺麗に並んでいます。

12時10分、木曽前岳に到着。ただ実は、標識が見当たらず、どこが山頂かわかりませんでした。奥に見えるのは御嶽山

さあ、いよいよ木曽駒ヶ岳へ。快晴で視界もクリアなので、山頂に沢山の人がいるのがはっきり見えました。

いったん下って、鞍部の玉乃窪小屋に到着。ここが九合目です。

そして木曽駒ヶ岳への最後の登り。小屋からの標高差は200mです。酸素が薄いためかペースダウンしながらも、

13時20分、木曽駒ヶ岳に到着。標高2956m。登山開始から6時間のタイムでした。

山頂には30名以上の沢山の人。前岳までは3人しか会わない静かな登山だったので、急に賑やかな場に出くわして、名残惜しさ半分・安堵半分の気持ち。

ここからは下り基調なので、気分も楽です。いったん下ってから登り返して、

13時45分、中岳に登頂。前岳までとは対照的に、ここに来ると東側が開け、南アルプスが綺麗に見えます。

次は剣岳に登ろうかと迷いましたが、疲れてしまったので、今回はスキップして千畳敷に下山することにしました。

間もなくして、眼下に見えてきた千畳敷駅。前方の南アルプスを眺めながら、急な八丁坂を下ります。

14時30分、千畳敷に下山。千畳敷カールをしばらく眺めてからロープウェイに向かいました。

ロープウェイ乗り場は行列。混雑のため、通常30分間隔の運行は、9分間隔に増便されていました。15分ほど並んでようやく乗車。後で調べたところ、15分待ちなんてものは可愛い方で、1時間待ちのときも結構あるようです。

帰りはバスと電車と特急を乗り継いで、東京に戻りました。

登りと下りで、趣が全く違った今回の登山。公共交通機関ユーザーで、登りは好き・下りは嫌いの私にとっては理想的なコースでした。しかも前岳まではほとんど人に会わないので、大人気の百名山を静かに歩きたい人にもお勧めしたいコースです(ただし健脚向けです)。

帰り
14時55分 千畳敷駅発(ロープウェイ)
15時02分 しらび平着
15時20分 しらび平駅発(バス)
16時10分 駒ヶ根駅
16時21分 駒ヶ根駅発(JR飯田線
17時33分 岡谷駅
18時56分 岡谷駅発(特急あずさ)
21時15分 新宿駅

<記録>
7時30分開始、14時30分下山(7時間)
距離10.5km・累積登り2080m

羊蹄山:紅葉と霧氷の世界へ。真狩コースを歩く。

2024年9月21日 百名山羊蹄山に登りました

<山頂の火口縁を歩く>

前日の樽前山に続いて、この日は羊蹄山に登ります。宿泊先の東室蘭から車で1時間20分かけて、羊蹄山の南麓、真狩村へ。車中からも端正な円錐形の姿がよく見えました。

5時50分、真狩キャンプ場に到着。3連休初日で混雑を予想していましたが、50台ほど駐められる駐車場は半分ほどの埋まり具合でした。

羊蹄山の4つの登山コースのうち、今回は最も登りやすいと言われる真狩コースを歩きました。距離14.1km・累積登り1606mのコースを紹介します。

6時00分、登山開始。

眺めて美しい円錐状の山。いざ山中に入ると、富士山・日光男体山黒姫山開聞岳がそうでしたが、どれも登り一辺倒で修業のようになります。「蝦夷富士」の別称を持つこの山も、八合目まではひたすら樹林帯の登り。天気も曇りなので「眺めて良し・登って良し」は難しいだろうなと思いながら黙々と歩きましたが、この予想は最後に(良い意味で)見事に裏切られました。

6時50分、三合目に到着。一合ごとに標識があるので進み具合が分かります。

三合目を越えた辺りから南の展望が開けてきます。洞爺湖、さらに内海湾を挟んで渡島半島も見渡せました。

8時00分、六合目に到着。

9時00分、九合目に到着。ここまで3時間、樹林帯を我慢強く登り続けてきました(汗)そしてさらに5分ほど登って森林限界を越えると、

絶景が待っていました😍紅葉と霧氷。東京ではまだ真夏日だったので信じられない光景。後からやってきた人たちも「これはすごい!」と声を上げていました。

緑黄赤のグラデーションに染まる山肌と避難小屋。奥の山はニセコアンヌプリ

9時20分、火口縁に到着。ここから約1時間かけて、反時計回りに火口を周ります。

本当に美しい景色。ただ北海道登山で気をつけなければいけないのは気候。山頂の気温は0℃前後、そして風速10m以上の強風が吹きつけてくるので、真冬のような体感温度でした。手袋をはめてセーターを着込みます。どちらも念のために持ってきたもので、まさか使うとは思っていませんでした。

真狩コースからの反時計回りのお鉢巡りは、山頂まで岩場が続きます。風が容赦なく吹きつけるので慎重に歩きました。

真ん中に見える尖ったピークが山頂。

豪快な火口を見下ろしながら歩いて、

10時00分、羊蹄山山頂に到着。標高1898m。山頂には続々と登ってきて、10人ぐらいが岩陰で爆風を避けながら、写真を撮ったり休憩したりしていました。

山頂からさらに火口縁を半周して、真狩コース分岐点に戻ります。

自然の圧倒的な美しさと厳しさを体感したお鉢巡りでした。

同じ真狩コースで下山します。風のおさまった九合目辺りで昼食。セイコーマートの惣菜は、安くて美味しいのでお気に入りです。

13時15分、下山。曇りがちの天気でしたが、山頂ではガスが晴れ絶景に出会えたので、大満足でした。

<記録>
6時00分開始、13時15分下山(7時間15分)
距離14.1km・累積登り1606m

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下山後は、車で10分ほどの所にあるまっかり温泉で入浴。入浴料600円。羊蹄山を望む露天風呂が良かったです。

この日はニセコに宿泊し、一人で温泉と食事を楽しみました。夕暮れどき、綺麗な羊蹄山を見れて嬉しかった。

翌日は夜のフライトまでもう一山登ろうと思っていましたが、天気が微妙で、疲れも残っていたので、小樽と札幌を観光して帰りました。今回も北海道を楽しめた旅でした。

樽前山:黒い溶岩ドームと青い支笏湖。五合目から旧道を歩く。

2024年9月20日 二百名山樽前山に登りました

<東山から溶岩ドームを望む>

9月後半の三連休。ソロ旅行の時間ができたので、唯一天気が良さそうな北海道に行ってきました。

前夜、新千歳空港に到着。空港ビル4階にある新千歳温泉で入浴し、大部屋の仮眠室で朝まで過ごしました。4600円(入館料2600円、深夜料金2000円)なのでお得です。

翌朝7時、空港から送迎バスでニッポンレンタカーに向かい、レンタカーを借ります。今回の相棒はトヨタのヤリス。3日間で保険料込み23000円でした。

初日は樽前山へ。新千歳空港から50分ほどかけて登山口に向かいます。それにしても北海道の運転スピードは速いこと速いこと。制限速度50kmの一般道を、皆さん80kmほどで飛ばしていきます🚗

8時30分、五合目ゲートに到着。本来は七合目まで車で行けますが、現在は通行止めのためここで駐車。平日のためか、20台ほど駐められそうな路肩スペースには一台も駐まっていませんでした。今日は孤独な山行になりそうです。

五合目から旧道経由で山頂まで往復する、距離15.1km・累積登り764mのコースを歩きます。

標高440mの五合目から、標高620m辺りの七合目まで旧道を歩きます。YAMAPにも山と高原地図にも記載されていない道。途中で道を外れてしまい、10分間ほど彷徨いましたが、正しい道はピンクテープがよく貼ってあり、踏み跡もしっかりしています。道が不明瞭になったら外れている証拠なので、引き返して正しい道を探したほうが良いでしょう。

1時間ほど旧道を歩くと、樽前山の外輪が見えてきました。

9時45分、七合目ヒュッテに到着。本来の登山口で、広い駐車場もあります。実はここに寄るつもりはなく、旧道を突っ切って登山道に合流する予定でしたが、どこかで道を間違えたようです。

登山道に戻って、外輪山の麓をぐるっと巻くように歩きます。前方、右に風不死岳、左に北山。

左を見上げると樽前山の外輪。

右を見下ろすと支笏湖。景色よく壮大な空間です。

風不死岳との分岐点を左に進むと、

溶岩ドームの頭が見えてきました。

標高が上がるにつれ、全容が見えてくる溶岩ドーム。鬼ヶ島があるとしたら、あんな形だろうな。桃太郎になった気分で歩きました。

外輪に差し掛かると、

右に溶岩ドーム。明治42年の噴火の際に形成されたようです。

左に支笏湖。歩いてきた道も見え、コースが大きくU字を描いているのが分かります。

11時10分、樽前山(東山)に到着。標高1022m。距離や標高の割にダイナミックな登山でした。すれ違った登山者はゼロでしたが、もし関東にあれば平日でも相当な登山者が集まると思います。例えるなら、同じ火山である浅間山那須岳のような豪快さ。

南を眺めると外輪がぐるっと続いています。魅力的な景色ですが、爆風が吹きつけ、天気も怪しくなってきたので、お鉢巡りは断念しました。

ということで、同じ道で下山します。

13時00分、五合目ゲートに下山。最後まで誰にも会わなかった静かな登山でした。

<記録>
8時30分開始、13時00分下山(4時間30分)
距離15.1km・累積登り764m

🚗🚗🚗🚗🚗🚗 🚗🚗🚗🚗🚗🚗

下山後は、休暇村支笏湖へ行って日帰り入浴(800円)。とろとろの湯で、肌がすべすべになりました。

支笏湖から1時間半かけて宿泊先の東室蘭へ。天気が読めなかったので、道央にも道南にも行ける場所を選びました。ここホテルルートイン東室蘭駅は温泉付きなのが良いところ。素泊まり8300円。

夕食はホテルから徒歩5分の所にある味処いずみへ。地元の人が集う海鮮中心の居酒屋さん。タラの煮付け・海鮮カルパッチョ穴子天ぷらでビールを飲み、

サーモン丼で締め。どれも美味しかったです。

翌日はニセコに移動して、羊蹄山に登ります。