二百名山を気長に登るブログ

二百名山の制覇を気長に目指してます。公共交通機関を利用した縦走が好きです。

和名倉山:近くて遠い二百名山。三ノ瀬から往復コースを歩く。

2024年4月12日 二百名山の和名倉山に登りました

<吹上ノ頭の稜線から甲武信ヶ岳方面を眺める>

秩父の和名倉山。東の雲取山と、西の甲武信ヶ岳との間に位置し、東京から距離は近いのですが、アクセスが良くないため、よく「近くて遠い二百名山」と呼ばれます。

ルートは、南の甲府側から登るルートと、北の秩父側から登るルートの2つ。どちらも往復距離が20km近くあるため、中級者向けの山です。

私はもう何年も前から和名倉山に行きたいと思っていて、甲府or秩父、ピストンor縦走、バスorタクシーorレンタカー、日帰りor将監小屋泊など、いろいろ悩んだ挙句、マイカーでアクセスし甲府側から往復することにしました。距離21.7km・累積登り1468mのコースを歩きます。

早朝4時半に自宅を出発。実は、自宅からマイカーで登山に向かうのは今回が初めて。いつもは公共交通機関を利用していて、行きも帰りも、眠ったり酒を飲んだりしていますが、マイカーではそうはいかないですね。ただ行動の自由が効くのはマイカーの利点。中央道・談合坂SAの「すた丼屋」に寄って、がっつり朝飯を食べました。

勝沼ICで高速を降り、一般道を通って、6時50分、民宿みはらしに到着。4台入る駐車場に車を駐めると、民宿のおばあちゃんとワンちゃんが出てきました。料金500円を支払います。

7時00分、民宿の傍にある三ノ瀬登山口から登山開始。

登山口から林道を30分ほど歩いて、牛王院下の分岐に到着。左に進むと七ツ石尾根、右に進むと将監峠です。登りは左の七ツ石尾根に進みました。

七ツ石尾根はカラマツ林の上り道。

しばらくして開けた所に到着。早朝の広い山中を、鹿の群れが走り去っていきました。

牛王院平というポイントを越えて、

8時30分、山ノ神土に到着。右に進むと和名倉山、左に進むと笠取山です。

山ノ神土からは、足元も見えないほどの笹藪。本当に道が合っているか不安になるレベルです。ただでさえ歩きにくい急斜面のトラバースに、滑りやすい笹茎の上を歩く箇所もあります。このコースで一番の難所でした。

25分ほど格闘して笹藪を抜けると、稜線に出てきました。

周りの景色も良いです。

ここから日陰の樹林帯に入って、西仙波に向かいます。途中に崩落箇所が一つあり、滑落しかけました。まあ、落ちても大怪我はしないと思いますが、ちょっと危険です。

9時30分、西仙波に到着。

西仙波から岩場を越えて、

9時45分、東仙に到着。

東仙波の標高は2003m。和名倉山の標高は2036mなので、もう大きな登りはなく、山頂まで小刻みにアップダウンを繰り返します。

稜線を進むと、ようやく和名倉山が見えてきました。手前の小ピークが吹上ノ頭。その右奥、長く横たわるのが和名倉山です。

稜線が終わると、再び樹林帯に入りました。苔と針葉樹の緑が素敵な空間です。

八百平という平坦なポイントを経て、

秩父側からのコースとの合流地点に到着。山頂まであと少しです。

木漏れ日の中を15分ほど歩いて、

11時05分、和名倉山に到着。登山開始から4時間のタイムでした。長くて疲れましたが、変化豊かな楽しいコース。そして、誰にも会わない静かな旅でした。

山頂は展望はありませんが、奥深い森の良い雰囲気。秘峰にいる気分に浸りながら、昼食をとりました。和名倉山は、戦後の伐採や山火事により多くの自然が失われましたが、山頂付近は災難を免れた原生林が残っています。

同じコースを辿って下山します。午前は曇りがちでしたが、午後になると晴れ渡ってきました。稜線上から、西の方面を眺めます。手前に唐松尾山笠取山。その奥に、雲にかかっていますが甲武信ヶ岳があります。

左に東仙波、右に西仙波。

東仙波から西仙波に至る稜線。

西仙波からリンノ峰を右に巻いて、あの難所の笹藪を下ります。

山ノ神土からは、将監峠経由で登山口に下りました。14時00分、将監小屋に到着。この日はテント泊の方も誰もいないようでした。

将監小屋からは歩きやすい林道を歩いて、15時00分、民宿みはらしにゴール。おばあちゃんに招かれて、お茶と冷やしトマトを頂きながら、お話ししました。三ノ瀬の集落のこと、道路の開通、民宿の開業、土地の利権、山の伐採とカラマツの植林、過去には四軒あった民宿も今は一軒になった時代の移り変わり。。。まだまだ聞きたかったけれど、帰る時間になったので30分ほどでお暇しました。またいつか来たい場所です。

車で山道を降りて、大菩薩の湯で入浴。大菩薩嶺の登山後に立ち寄る人が多い温泉ですね。

塩山に向かう途中で見た、山麓に広がる桃畑も印象的でした。帰路でも自然に癒されて、東京に帰りました。

「地味」という評判も多い和名倉山。おそらく、その評判は展望も少ない秩父側のルートのものだと思います。今回登った甲府側のルートは、全体的に展望がよく、変化に富んだ楽しいコースでした。いつか、将監小屋あたりで一泊して、秩父側に下りるルートも歩いてみたいです。

<記録>
7時00分開始、15時00分下山
距離21.7km・累積登り1468m