2023年7月17日 百名山の北岳に登った記録です
<早朝の北岳山頂>
本格的に登山を始めて約4年。憧れの南アルプスに初めて登りました。体力と技術も向上し、それなりの自信を持って臨みましたが、予想以上の急登に体力を奪われ、高山病にもかかってしまい、ほろ苦い経験となりました。それでも、鮮やかなブルーの空・美しい緑の草花・周囲の山々の光景は本当に素晴らしく、今でも忘れられない思い出です。
広河原を起点に、肩の小屋に一泊して往復する、距離10.8km・累積登り1791mのコースを歩きました。
アクセス
07時00分 新宿駅発(あずさ1号)
08時27分 甲府駅着
09時05分 甲府駅発(バス)
11時00分 広河原着
甲府駅から山梨交通バスに乗車。乗客数に合わせてバスを手配してくれているようで、この時はバス2台の運行で、全員が座って行けました。バスは、芦安温泉を超えると、山腹を巻くように敷かれた細い林道を走ります。この南アルプス林道は1979年に開通したようですが、よくこんな道路を作れたなと思いながら車窓の景色を眺めていました。
11時00分、広河原から登山開始。この地点で標高1520mなので、北岳まで1700mほど登ることになります。
吊り橋を渡ってから、
しばらく樹林帯を歩きます。
急登は白根御池小屋から先と聞いていましたが、ここまでの樹林帯もなかなかのキツさ。ひたすら地味な登りが続きます。白根御池の手前で、開けたところに出ました。川の水が冷たくて気持ちよく、顔を洗ってさっぱりしました。
13時10分、白根御池小屋に到着。標高2236mなので、半分ぐらい登ってきたことになります。昼食後、後半の登りに挑みます。
白根御池からは草すべりと呼ばれる急登。もう過去最恐クラスの苦しい登りでした。。。草原状の急斜面をほぼ直登します。そして標高2800mあたりから高山病になってしまいました。頭痛がするし、足も重たい。富士山の時は3200mぐらいまで大丈夫だったので問題ないだろうと思っていましたが、想定外でした。写真を撮る余裕は全くなく、ただただ無心に足を進めました。
15時15分、約2時間の急登を終えて、ようやく小太郎尾根分岐の稜線に到達。絶景をバックに、周りの登山者と交代で写真撮影しているうちに、少し元気が出ました。
稜線を進むと、北岳と肩の小屋が見えてきて、
15時50分、北岳肩の小屋に到着。標高3000m。登山開始から4時間50分のタイムでした。
小屋にチェックインして、荷物を置いて、外に出ました。標高3000mの世界。高山病で頭痛がするけれど、低山では見たことのない素晴らしい眺め。白っぽい三角の頭を突き出しているのは甲斐駒ヶ岳です。ただただ見惚れていました。
17時30分、夕食。この日のメニューは肩ロースステーキでした。肩の小屋は、清潔で、寝床もパーテーションで仕切られていて快適。いい小屋でした。
⭐️⭐️⭐️💤💤💤
翌朝、4時過ぎに起床。本当は、北岳とその先の間ノ岳まで縦走したいと思っていましたが、高山病で元気が出ないので、間ノ岳は断念。北岳だけ目指すことにしました。4時40分、日の出とともに出発。
朝日を浴びる北岳。この早朝の雰囲気が本当に素敵です。
岩綾帯を進んで、もう少しで北岳山頂。山頂にたくさん人が立っているのが見えます。
5時25分、北岳に到着。標高3193m。富士山に次ぐ、日本第2位の高峰です。
山頂に転がる巨石に乗って周囲を眺めました。左に仙丈ヶ岳、右に甲斐駒ヶ岳が見えます。
反対の南側を見ると富士山。見慣れた富士山をここで目にした時、不意に泣いてしまいました。体調の悪さ、間ノ岳を断念した悔しさ、南アに登った嬉しさ、神々しいほどの山頂の眺め。いろんな感情が混ざった、訳の分からない涙。山で涙したのは、今のところこの時だけです。
山頂を下りて、肩の小屋に戻ってきました。
小屋に用意頂いた弁当で朝食。
朝食後、登りと同じルートで下山します。相変わらず素晴らしい稜線。下山になって、ようやく景色を楽しむ余裕ができました。
広河原に下山。振り返って北岳を眺めます。
10時00分、広河原にゴールしました。
11時00分、広河原発のバスに乗って、12時55分、甲府駅に到着。甲府駅前の「小作」でほうとうを食べてから東京に帰りました。
つらかったけど、あらためて山の偉大さに触れた今回の登山。周りの登山者も、玄人っぽい方が多く、レベルの高い人が集まる山域なんだなと思いました。ちゃんとトレーニングを積んで、いつか白峰三山の縦走にチャレンジします。
<記録>
1日目:11時00分開始、15時50分肩の小屋到着(4時間50分)
2日目:4時40分開始、10時00分下山(5時間20分)
距離10.8km・累積登り1791m